2013年6月5日水曜日

MacKeeperは必要ない!!

LAME mp3 エンコーダーの続編を書くつもりだったが、予定を変更してMacKeeperというソフトウェアについて書く。理由は、このソフトウェアが無用の長物であるにもかかわらず、Googleの広告に掲載されるようになってしまったためである。

この無用の長物は、2013年に開発元であるZeoBit社からKromtech Alliance a technology investment group社売り渡された経緯を持つ。今回Googleの広告に食い込んでしまったのはKromtech社が絡んだ事によるのではないかと思われる。

以下、このソフトウェアを実際にインストールしてレビューする。

公式サイトからダウンロードできるMacKeeperのバージョンは3.9.6(2016.11.23現在)である。ダウンロードボタンを押すと、わずか175,242バイトのパッケージがダウンロードされる。(パッケージをダブルクリックしてインストールする際にソフトウェア本体がダウンロードされる仕組みになっている)
インストールが終了すると、直ちにMacKeeperが起動してシステムのスキャンを開始する。

次の画像は筆者のMacをスキャンした結果である。

ことさらに問題があるように見せつけるが、実態は後述する通り、大した問題ではない。

次の画像はスキャン終了時点でのシステムステータス(笑)である。

これも、ことさらにパフォーマンスに影響する重要な問題があるように見せつけるが、実態は後述する通り、大した問題ではない。

次の4枚の画像はクリーニング機能の高速クリーニングタブを開いたものである。

バイナリカッターはIntelベースのMacにおいて不必要なPowerPCアーキテクチャのコードを除去するという。実行コードはソフトの起動時にハードウェアに合わせたものが読み込まれる。別にPowerPCのコードが含まれているからパフォーマンスに影響することはあり得ない。

通常キャッシュするとは、読み込みに時間がかかるデータをそのソフトに取って都合の良い場所に保存しておくことを意味する。キャッシュを削除することは古いデータを更新する際には有効だ。しかし更新のないデータは不必要な再読み込みを行うことになり、却ってパフォーマンスを下げることになる。

ランゲージカッターはマルチリンガル対応のMacのソフトウェアから不必要な言語パックを削除するという。言語はソフトの起動時にその環境(ロケール)に合ったものが読み込まれるのであって、言語が多いからパフォーマンスに影響することはあり得ない。

ログクリーナー。システム関連のログファイルは多くの場合ローテーションという機能が備わっている。古いログは一定期間経つと自動的に更新され、消えてなくなる。そのサイズを気にする必要は全くない。
第一、自分が吐いたログを全て読み込んで立ち上がるソフトなど聞いたことがない。何故ログを削除するとパフォーマンスが上がるのか聞いてみたいものである。

残りの機能を個別にレビューする。

  • セキュリティー
    インターネットセキュリティー盗難防止ソフトがある。
    インターネットセキュリティはウイルス、マルウェア対策のソフトらしいが、専門のソフトに任せるべきである。第一MacKeeperは数ヶ月この機能をアップデートしなかったことがある。
    盗難防止ソフトはOS X 10.8.x以降であればiCloudの機能に同じ機能があるので必要ない。

  • 高度な機能

    • メモリクリーナー
      字面を読むと、起動したことがあるアプリケーションの再起動を高速化するためにシステムがマッピングしている領域を削除するように読める。興味のある方は試すと良いが、こんなことをすればアプリの再起動は遅くなりイライラが募るのみである。
      参考:Macが重い時にメモリ解放をする方法
    • 重複ファイル検索
      どこまでできるのか知りたいが、例えば同じ画像でファイル名が異なるケースも検出できるのだろうか? GoogleがAIを使ってやっていることをMacKeeperが実装している? にわかには信じがたい。
    • スマートアンインストーラー
      無料かつほぼ完全に関連ファイルを削除できるAppCleanerがあるので不要。ちなみにこのAppCleanerはインストラータイプの場合では有効ではない場合もある。
    • ファイルの復元
      いわゆるサルベージ機能だが、HFS+の構造上、削除したファイルは元のファイル名も、保存されていたディレクトリも失われる。それでも拾えれば良いという向きは試すべきだが、どちらかと言えばTime Machineを用いたほうが良いのではないだろうか?
    • データの暗号化
      必要ならばOS標準のFileVaultを使えば良い。
    • ファイル検索
      SpotLightは最高の検索ツールだ。これを超える検索機能を筆者は知らない。
    • ログイン項目
      インストラーによってログイン項目を増やされて対応できないような素人向けの機能である。システム環境設定のユーザーとグループからログイン項目は管理できることぐらいは学ぶべきである。
    • ディスク使用量
      アップルメニューから実行する「このMacについて」でストレージタブを開けば分かる。
    • デフォルトアプリケーション
      Finderの情報を見るからいつでも変更できるし、必要ならば副ボタン=右クリックで「このアプリケーションで開く」を使えば良い。
    • 更新トラッカー
      Mac App Storeからダウンロードしたアプリは、すべて自動でアップデートされる。それ以外の場合も、多くのアプリは自己更新機能を備えている。なぜMacKeeperに頼む必要があるのだろう?
    • 高速クリーニング
      既に図を用いて説明した。すべて不必要な機能である。
    • バックアップ
      Time Machineがあれば不要。
    • シュレッダー
      ディスクユーティリティの空き領域の消去でセキュリティオプションを選べば同様のことができる。
  • ギーク・オンデマンド
    ユーザーサポートのようだが良くわからないので言及は避ける。

以上、このソフトウェアパッケージは、どれもが不要か、それとも無料のソフトウェアで代用できるものでしかない。これが必須16種類54,000円相当を、たった9,999円で入手できると称していることの実態である。

MacKeeper価格情報

MacKeeperのアンインストール方法
最後にMacKeeperのアンインストール方法を書いておく。と言っても賢察な方であれば、もう言わずもがなのことである。AppCleanerを起動してMacKeeper.appをドラッグ&ドロップすれば、関連ファイルを含めて全てアンインストールできる。

2013.12.8追記
MacPaw社よりCleanMyMac 2なるMacKeeperと似たようなアプリケーションが出ている。インストールして試す気はないが、これもMacKeeperと同様の機能である。すなわち使うべきソフトウェアではない。

2014.6.8追記
MacKeeperは、現在バージョン2.5.1と2.10.3の2種類がある。2.10.3は本稿ではレビューしていないが、確認した限りでは2.5.1と同じであった。筆者を信じるか、MacKeeperを信じるかは、お任せする。

2014.12.31改訂

  1. 記事の内容に一般のソフトウェアの仕組みについて理解が未熟だった部分があったので修正。MacKeeperの理解が不足だった訳ではない。
  2. MacKeeper 2.17.1にて実機確認を実施。

2016.11.23改訂
MacKeeper 3.9.6にて実機確認を実施。内容をソフトの構成に沿って再構成。

6 件のコメント :

  1. グーグルのターゲティング広告で危うくインストールするところでしたが、
    検索でこの記事を発見しました。
    ありがとうございました。

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  2. お役に立てたようでしたら、幸いです。

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  3. 2014/5時点:もう一点、問題点を追加させていただきます。macminiを使っているものですが、重くなってどうしたものかと思っているとき、バナー広告が画面に出たので思わずインストールしてしまいました。昔のnorton utilityのつもりでrunさせましたが、効果ははっきりせずいろいろ警告が出るままに走らせていましたが、効果は不明でした。それまではuninstallの方法もハッキリしなかったのでそのままにして不使用で9ヶ月ほど経過しましたが3ヶ月ごとに有料バージョンアップ3000~4000円?の知らせのメールが届きました。契約解消の手続きをしましたが、それも不明でうるさく催促するので仕方なくその後1・2度paypalで有料バージョンアップしましたが、3度目にはいくらなんでもこれはおかしいと思いpaypal japanにお願いし、支払い停止の手続きをしてもらいやっと厄介メールは来なくなりました。2015/11の時点でmacbook airを使っていますが、昨日も偽名を名乗ったmackeeper が画面に現れ、今コンピューターは大変危険です の知らせをしていました。皆さん画面上のアンチウイルスソフトには手を出さないことが肝腎です。

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  4. Mac keeperは、お金を払う価値がない旨の記事ですが、払ってしまうとどうなるか書いてくださり、ありがとうございます。

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  5. 悪名もかなり高くなってきた「嘘のウイルス感染」警告をするソフトですね。けれどウェブ上の動画をDLしたい人が身ぐるみ巻き込まれる羽目になる一連のケースに気づきましたので報告しておきます。

    例1:『5KPlayer』というのが大変に便利な再生フリーソフトであると感嘆されているのを多くのサイトで読む。ところが導入したとたん動作が重くなり、全ての動画ファイルを『5KPlayer』で開かなければならないように強引な関連付けがなされてしまう。おまけに残念ながらそのアイコンがあまり格好よくない。 しかも起動時に常駐してメモリーを消費する。そこで( Macの例ですが)「ログイン項目」から取り省くのが定石ですが、なんと「ログイン項目」に表示されない。
    例2:別の動画再生フリーソフトとして『MPlayerX』というのを導入。するとブラウジング中アドレスバー検索時にThe Smart Search なる検索エンジンに切り替わってしまうという奇怪な体験に呑みこまれる。そのうえMacKeeperなどのポップアップ広告に悩まされ、ブロックも効かない。

    結果:これら迷惑な不要アプリを『AppCleaner』というフリーソフトが根こそぎアンインストールしてくれると謳うページが山ほど存在するのを読む。そこでサイトに飛んでダウンロード・ボタンをクリックする。すると次のペーでは、実は、なんと MacKeeper がインストールされるボタンが出てくるのだが、ほとんどの人このスリカワリになど気付かず、いつもの習慣でそのままクリックしてしまう。
    __という、やぶへびの仕組みで、結局、MacKeeperをDLさせられるのです(笑!)
    この会社、悪賢さがちょっと足りず、キレイなデザインのこのページにMacKeeperの紹介文も堂々と掲載してあるせいで私は寸前で引っかからずに済みましたが、こうしてバレちゃうのがカワイイところとはいえ、力の入りすぎた広告戦術まったくもって厄介です。
    ___ということで、『5KPlayer』と『MPlayerX』のほかにもMacKeeperに誘導するソフトがあるかもしれませんのでフリーにはくれぐれも用心し、前もって調べてからにしてください。

    ビジネスに日々研鑽の工夫は欠かせませんし、サイトではアンインストール方法もサポートしているのをみると悪辣だとまでは私は思いません。が、しかしお手上げになったという気分に追い詰めたり、ましてや無駄金を費やす羽目に陥らせたり、とうていフェアとは言えないようです。消費者側も対応能力を上げる必要がある今日、この会社はセキュリティ研究・対策者の目をかいくぐろうという工夫の跡が明白のようですので以下の記事を貼っておきます。

    http://applech2.com/archives/44706064.html

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  6. 返信遅くなりました。「5KPlayer」というのは存じませんが、「MPlayerX」が悪さをするのは知っております。
    「AppCleaner」ですが、おっしゃるような現象は確認できませんでした。「AppCleaner」のURLは記事中にもある通り「https://freemacsoft.net/appcleaner/」です。

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